龍臣先輩は今日も意地悪


足はずきずきと痛むけど、大事なアルバム床に直接落とさなくてよかった…



じゃなくて!!!





「今なんて言っ……え、は?」




「動揺してる咲結珍しい、超レア、可愛い」


「顔を!近づけないでください…!!」




気づけば頬に唇を寄せてきていた龍臣先輩の顔を押し返す。




「大丈夫、今日親いるからなんもしないし」



「そうじゃなくて…いやそうなんですけど、でも」



「なに、俺一緒にいたいだけなんだけど?咲結ヤラシー」


「わかりました泊まります泊ればいいんでしょ!?」





大きな声でそう言えば龍臣先輩はにんまりと笑った。





「好きだよ咲結」




「んん…キスしすぎです…!」


「照れてる、可愛い」




煽られるとすぐムキになってとんでもないこと決断しちゃう癖はそろそろやめたい。




でも龍臣先輩は私よりも1枚も2枚も上手だから。


そんな私の癖をわかったうえで、そうなるように仕向けてくる。




さっきも泊まるって私の口から言わせるために煽ったんだ。

ずるい誘導尋問スタイル、龍臣先輩の常套手段。




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