龍臣先輩は今日も意地悪


「女に二言はないでしょ?決まりね。親に連絡しとくんだぞ」




なんて言ってわかりやすくルンルンで部屋を出て行った。




「あああああ…」




やってしまった。

なんて私は龍臣先輩のベッドに顔をうずめた。






コンコンコン


「はい…!」




「ごめんね、うちの子が無理言って泊まらせたんじゃない?」



ドアの隙間からちらりと顔をのぞかせた綺麗な女性。


お母さまだ。




「先輩のお母さん…えと、挨拶が遅くなってすみません。有明咲結です」


「先輩ってことは年下だったのね!母のマミです、よろしくね。」


「こちらこそ…!」




マミさんはゆっくりしてってね、と二人分のケーキと紅茶を置いて行ってくれた。




どうやら龍臣先輩はコンビニに出かけたらしい。




連れてってくれればいいものを…


まあ一人で悶えていたのは私だけど。




だいたい女子相手に急に今日泊まれだなんてどうなんだ。



普通女の子がお泊りって言ったらそれ相応の準備というものがあるというのに。




私は明日休みだけど、先輩学校じゃん。というかテストじゃん。


……まあ泊まるけど。




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