龍臣先輩は今日も意地悪
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「ねぇ麻里奈。夏木龍臣って知ってる?」




「はぁ?当たり前じゃん。この学校に夏木先輩知らない人なんていないでしょ」





次の日、何気なく親友に聞いた質問はズバッと吐き捨てるように返された。





やっぱり、あの人は私が思ってるより有名だったらしい。





朝学校について玄関に行くとそこには女の子に囲まれた夏木龍臣がいた。



今まで1度も見た事がなかったのに、急に彼の存在を意識するようになった。





廊下では夏木先輩に手を振る女の子たち。



芸能人か。


なんて心の中でツッコミを入れる。




教室につくと、入口のそばの席の子達は4人くらいで話していて。




「私さっき夏木先輩見たの〜!!朝から見れるなんてほんとに幸せ!」


「ずるい!!私も見たかった〜」


「あの人拝んだら1週間くらいは生きていけるよねぇ」



神様か。



なんてまた心の中でツッコミを入れた。





学年が違うのにこんなに人気だなんて…知らなかった。



今までどんだけ周りに興味なかったの、なんて麻里奈に言われたけど別に先輩と関わりなんかないし。



誰々がかっこよくて〜なんて話もイマイチついていけないから。



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