龍臣先輩は今日も意地悪


「地元どこ?このへん?」


「隣町です。まぁ、市の境目なのでこっち寄りではあるんですけど」


「まじ?じゃあ今度この子連れてこっちまで散歩しに来てよ」


「やですよ、何キロ歩かされるんですか」



「だよね〜」





脳天気なんだが、ばかなんだか。


本当に変わった人というか、今までであった事ないタイプの人だから本当に扱いに困る。




先輩なのに先輩らしくないとことか、ちゃらいとことか、接し方が難しいなぁ。





「誕生日は?」



「クリスマスイブです。12月24日」



「え?一日違いじゃん。俺クリスマス」





いぇーい!なんてハイタッチを構える夏木先輩だけど私は愛想笑いでスルーした。



そっか、クリスマスとか言ってたっけ。





「咲結って春っぽいのに冬生まれなんだ」


「よく言われます」


「俺もナツキなのに冬生まれなの。変な感じでしょ?」



「いや、ナツキは苗字じゃないですか」




「んー、そうなんだけど俺みんなに苗字で呼ばれてるからナツキって名前だと思われてること多いんだよね」



「へぇ…」





なつきたつおみ。



たしかにナツキって名前っぽいかも。




龍臣って苗字より長いし呼びずらいからナツキって呼ばれてるんだろうなぁ。



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