龍臣先輩は今日も意地悪
脆くなんてない。
私は自分がメンタル面では比較的強いほうだって思ってる。
優しくなんてない。
平気なフリしてるけど、最初に遥輝と恋奈先輩の浮気を目撃した時は黒い感情が溢れた。
なんで私の彼氏とキスしてるの?
遥輝は私にすらしてくれないのに
なんでその人とは楽しそうに笑うの?って。
自分にも非があるって気づいたのはある程度頭の整理がついてからだった。
「キミなかなか面倒臭い子だね」
クスッと笑う龍臣先輩に私はハッとした。
何熱くなってんの、私。
「ほっといてください。面倒臭いなら尚更っ…もうあとは私一人でやるんで、帰っていいです」
「むりでーす。もう外暗いし、さっさと終わらせて一緒に帰るよ」
こんなに冷たい言い方をしたのに龍臣先輩は気にもとめずに作業に戻った。
だめだ。やっぱ調子狂う、この人。
なんでそんなに優しくするの。
普通の人ならきっと怒ったり呆れたりする所なのに。