龍臣先輩は今日も意地悪
「―― へぇ、覗き?いい趣味してるねぇ、きみ。」
さっきまで静かだった図書室にそんな声が響いた。
もちろん私ではない、低くておだやかな男の声。
「人聞き悪い、見えちゃっただけです。」
「へーえ、そっかそっか」
何だこの人。
というか、こんな時間に図書室に来る人がいるなんて。
時刻は午後6時。
部活をやっている生徒以外はとっくに帰ってる時間だ。
図書室だって17時までだからもう閉まってる時間。
私は図書委員だから放課後の当番のあと片付けをしてたからいただけだけど。
本棚に寄りかかりニコニコしている男の人に見覚えはなかった。
ネクタイの色が濃い赤だから1個上、3年生だ。
でも図書委員にこんな人はいない。
第二ボタンまで開けられたワイシャツ、緩いネクタイ、かかとが踏まれたシューズ。
さらりとなびく茶色の髪と、隙間から除くシルバーのピアス。
チャラい。そう思った。
「はは、そんな怪しいやつ見るような視線やめてよ」
「怪しいというか……まあ、怪しいですから」
「はっきり言うなぁ」
俺一応先輩だよ?なんてヘラヘラしながらネクタイを見せびらかす先輩。
こんな人、私の知っている先輩の中には少なからずいないのだ。
さっきまで静かだった図書室にそんな声が響いた。
もちろん私ではない、低くておだやかな男の声。
「人聞き悪い、見えちゃっただけです。」
「へーえ、そっかそっか」
何だこの人。
というか、こんな時間に図書室に来る人がいるなんて。
時刻は午後6時。
部活をやっている生徒以外はとっくに帰ってる時間だ。
図書室だって17時までだからもう閉まってる時間。
私は図書委員だから放課後の当番のあと片付けをしてたからいただけだけど。
本棚に寄りかかりニコニコしている男の人に見覚えはなかった。
ネクタイの色が濃い赤だから1個上、3年生だ。
でも図書委員にこんな人はいない。
第二ボタンまで開けられたワイシャツ、緩いネクタイ、かかとが踏まれたシューズ。
さらりとなびく茶色の髪と、隙間から除くシルバーのピアス。
チャラい。そう思った。
「はは、そんな怪しいやつ見るような視線やめてよ」
「怪しいというか……まあ、怪しいですから」
「はっきり言うなぁ」
俺一応先輩だよ?なんてヘラヘラしながらネクタイを見せびらかす先輩。
こんな人、私の知っている先輩の中には少なからずいないのだ。