龍臣先輩は今日も意地悪


「…話って、どうしたの」



朝起きると、[放課後裏庭で]とメッセージが入っていた。



最近眠りが浅かったのが嘘みたいに、今日はよく眠れた。



そして夢に遥輝と恋奈先輩が出てくることもなかった。

終わりにするって、決めて寝たからだろうか。




「ねぇ、遥輝」


「…なに?」




目、合わせてくれないんだね。


裏庭に来たら遥輝はすでにベンチで待っていた。



私が来ても、よおと俯いたまま挨拶しただけ。



私の話なんて、今更君にはどうだっていいのだろうか。




「私に何か、隠してることない?」



「…は?」




ようやく顔を上げた遥輝。



思いもよらない発言だったのか、目を見開いている。



いま、頭にはなにがよぎってる?

恋奈先輩のこと、考えてるのかな。




「私さ、見ちゃったんだよね。図書室から部室棟ってすぐ近くなんだよ」



嫌な予感が当たってしまったかのように遥輝が唾をのんだ。




ようやく、気づいたんだ。

私がきみの浮気に気づいてるってこと。



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