龍臣先輩は今日も意地悪
【咲結side】
「_ごめんなさい、付き合えないです」
「…もしかして、まだ武内のこと引きずってる?俺となら絶対忘れられるよ」
「違います、もう引きずってはないんですけど…すみません、失礼します」
まだ何か言いたげな男の子を校舎裏に置き去りにして中に戻る。
話したことないし、顔も見たことない子だった。
ネクタイの色が同じだったから同級生ではあるけど…
「おかえり咲結~今週何人目?50人くらい?」
「ちょっと麻里奈、面白がってない?」
麻里奈と一緒にお弁当を食べていた空き教室に戻ると、その表情はニヤついていた。
「んな馬鹿なぁ。あたし咲結は夏木先輩と付き合えばいいと思ってるから」
「やっぱり?いやあセンスいいね麻里奈チャン」
「先輩イケメンだし、スペック高いし、咲結のドライ具合にも耐えられる珍しいタイプですから」
麻里奈と龍臣先輩はいぇーいとグータッチを交わした。
まったく、他人事だと思って…