龍臣先輩は今日も意地悪

「…霧崎先輩っていつから龍臣先輩と仲良いんですか?」


「お、唐突だね。うーん、高校入ってすぐくらいかな。写真あるよ」



「……龍臣先輩って何考えてるんですか?」



「ふはっ、やっぱりおもしろいね咲結ちゃん。俺も未だにいまいち分かんない時はあるよ」




霧崎先輩は入学したての少し幼く見える龍臣先輩の写真を見せてくれた。



「…幼い?」

「え、これ夏木先輩?なんかちっさくない?」



「龍臣高1で急に身長伸びてすぐ追いつかれたんだよね。髪も伸ばしてモテちゃってさ」




写真の中の龍臣先輩はたしかにあどけなさが残ってて、霧崎先輩と並んでるけど背はだいぶ低い。



しわ1つない綺麗な制服も、まだ少し肩パットの部分が余ったブレザーも、それを助長させているのだろう。



龍臣先輩って小さかったんだな、なんて。


遠くを歩いても頭一つ抜けて見えるくら身長が高くて、今では霧崎先輩よりも少し高いから意外かも。



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