龍臣先輩は今日も意地悪


「なにしてんの?」



「んー?龍臣の高1の時の写真咲結ちゃんに見せてた」


「は!?おいばか、蒼斗」




コーヒー牛乳を買って戻ってきた龍臣先輩は私の手から霧崎先輩のスマホを奪った。


その様子はどこか焦っているようで、霧崎先輩もへらへら笑ってる。



もしかして…



「背低かったこと気にしてるんですか?」


「…オブラートにつつもうね、咲結ちゃん」




苦笑いした龍臣先輩は霧崎先輩にスマホを放り投げた。


二度と見せんな、なんて小声で釘をさしてたけど残念ながら聞こえている。



本当に見られたくないんだろうな。




「こういうとこ、分かりやすいでしょ?」


「…ふふ、そうですね」



霧崎先輩はやっぱり龍臣先輩の親友なんだな。

こうなること想定して写真見せてくれてたと思うと計算高くて恐ろしい。


たぶん敵には回さないほうがいいタイプ。



「咲結、さっき見たもの全部忘れてね。今のカッコいい俺だけ知っててくれたらいいから」



「別に気にしないですよ、昔は背が低くて悩んでたことなんて」



「おっと?聞いてた?忘れていいよ?」



こんなに焦ってる龍臣先輩は初めて見た。

おもしろくてつい弄ってしまうあたり私は性格が悪いと思う。



まあ、自覚があるから許してほしい。


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