龍臣先輩は今日も意地悪
『窓から見てるから頑張ってね』
待機しているとふとそんな発言を思い出した。
『放課後3年2組の教室です』
『ラッキー、俺のクラスじゃん』
4階の、左から2番目の教室。そこが3年2組だ。
「っ」
その教室を見つけたとき、開いた窓のそばの人と目が合った。
…龍臣先輩。
ほんとに見てたなんて、思ってなかった。
ただちょっと、確認したかっただけなのに。
めちゃくちゃ意識してわざわざ確認した人みたいになってない?
目あったとき、龍臣先輩絶対気づいてたよね。
「…最悪」
ましてや次は私が走る番だというのに。
「いちについてー、よーい」
どうか、私が走る番先輩が先生にあてられて外見れませんように。
そう願い、走るしかなかった。