龍臣先輩は今日も意地悪
「実は麻里奈チャン買収しててさ。体育の授業終わった瞬間クラス全員のタイム、教えてもらったんだよね」
「職権乱用!」
「1組も含めて赤団2年女子で一番早いの咲結だから、決定ね」
にこっと笑う龍臣先輩の頭にはあるはずのない角が見えた。
もちろん、悪魔の角である。
「男子は…ん-と、安堂翔琉。って、咲結のお友達クンじゃん」
「やめてくださいよその変な言い方」
「絶対コイツより俺のほうが足はやいから」
「何張り合ってるんですか、年上なのに。しかも安堂くんああ見えてサッカー部のエースですよ」
龍臣先輩はたしかに運動神経良さそうだけど、さすがに敵わないでしょ。
帰宅部だし。
「俺も中学までクラブチームでサッカーやってたけどね」
「…いや、そもそも先輩と安堂くん味方ですから」
「んなこたぁ知らねえんだよ」
大丈夫なのだろうか、こんな人が団長で。