龍臣先輩は今日も意地悪
「ほら、始まりますよ委員会。前向いてください」
「はいはい仕方ないな。んじゃまたあとでね」
先生が教室に入ってきて前の教壇に立ったから先輩に前を向かせる。
これじゃどっちが先輩だか分かったもんじゃない。
まあ、いつものことだけど。
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「あれ?有明?まだ残ってたのか?」
「あぁ、安堂くん。委員会があったんだよね。安堂くんは部活か」
「そ。走り終わってちょっとサボってた」
「エースがそんなんでいいの?」
委員会が終わり下駄箱で靴を履き替えていると外で練習をしているはずの安堂くんは私の後ろ、つまり校舎の中から現れた。
そして堂々のサボり宣言。
サッカー部のコーチは厳しいと噂で聞くし、ちょっとバレてしまえばいいのにと思った。
「図書委員が体育祭に駆り出されるって変な話だよな」
「まあ朝ちょっと早く来て手伝うだけだしいいよ」
「さすが有明。ア行の女。名雑用係」
「それ褒めてないでしょ」
はあとため息をついて下駄箱から出したローファーを履く。
そんな私を横目にケラケラ笑いながらサッカー用のシューズに履き替える安堂くん。
この人私のことなんだと思ってんだか…