龍臣先輩は今日も意地悪


「安堂クン、どんな子?」



「…いい子ですよ。素直だしおもしろいし」



「ふうん、俺は?」



「…しつこくてうるさくてめんどくさい先輩ですかね」



「ははっ、辛辣」




もし仮に、龍臣先輩のポジションが安堂くんだったらどうなんだろう。



彼もそこそこ…いや、モテる男の子だ。



でも、龍臣先輩みたいにあきらかなファンがついている訳ではない。


そもそも最初から仲いいことを隠す必要なんてないのかもしれない。




「ねえ、シンラツって漢字で書ける?」


「書けますよ。え、書けないんですか?」


「いや、最近書けるようになった。チッ、マウント取れると思ったのにさ」


「高2にもなれば大体の人が書けると思いますよ、それ」


「やだねえ最近の若い子はかしこくて」


「ふっ、1歳しか変わんないじゃないですか」





20分ほどの帰り道、そこから先はずっと1歳の差は大きいという話をされた。

内容、ほぼ忘れたけど。




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