幼なじみの一途な狂愛
乙哉とは、幼稚園児の時から高校卒業するまでずっと一緒だった。
何をするにも梨々香は乙哉を頼り、乙哉もそんな梨々香のある意味……兄のように優しく見守っていた。
でもそれは、当たり前のことで………
それが、乙哉と梨々香にとっては普通のことだった。
家族のような存在で、そこには“恋愛”はなかった。
でも……………
今考えると、乙哉のことが“男として”好きだったのだと思う。
しかしそれは、 高校卒業して離れて初めてわかったことだ。
乙哉はとても賢く、成績もトップクラスだった。
乙哉と同じ大学なんて、行けるわけがなかった。
なので、大学入学を期に二人は離ればなれになったのだ。
今の不倫相手の課長・和多に出会うまでに、梨々香は二人の男と付き合った。
二人共、どことなく…乙哉に似ていた。
優しくて、賢く、梨々香を包み込んでくれる人。
でも……どうしても乙哉と重ね、比べてしまい結局別れを告げられた。
そんな時に、課長に出会ったのだ。
他社からのヘッドハンティングにあったとかで、転職してきた課長。
乙哉とは、正反対の男だった。
冷淡で、自分勝手……でも、大人の落ち着きと安心感のある和多に、梨々香の心はあっという間にさらわれたのだ。
言い訳だが、最初は知らなかった。
まさか、既婚者だなんて……
だからと言って、梨々香も既婚者だとわかっても離れられなくて、ズルズル今日にいたっている。
「なんか、あった?」
「え?」
「一人で、バーなんてさ。なんか、あったのかなって!
それに、悲しそうな表情してた」
帰り、乙哉が送ってくれるとのことで、二人はゆっくり夜道を歩いていた。
「乙哉って、昔からよく私のこと見てるよね」
「は?」
「よく、気づいてくれてたなって!」
「まぁな……兄貴だし(笑)」
「私……」
「ん?」
「私ね…」
「うん」
変わらない、乙哉の優しい微笑み。
ダメだ!!
こんな綺麗な乙哉に、私のような汚ない人間が関わってはいけない。
「ううん……!
乙哉、送ってくれてありがとう!
家、すぐそこだから、ここで━━━━━」
梨々香はそう言いながら、足早に歩みを進めようとする。
しかしその手を、乙哉に掴まれた。
「乙哉、離して!」
「家の前まで、送る!」
「いいよ、すぐそこだし!」
「ダメ!!二度と放さない!!」
そのまま、手を握られた。
乙哉の大きな手。
肩幅も、広くなった?
背は……昔から高かったか……!
梨々香は、ボーッとそんなことを考えていた。
何をするにも梨々香は乙哉を頼り、乙哉もそんな梨々香のある意味……兄のように優しく見守っていた。
でもそれは、当たり前のことで………
それが、乙哉と梨々香にとっては普通のことだった。
家族のような存在で、そこには“恋愛”はなかった。
でも……………
今考えると、乙哉のことが“男として”好きだったのだと思う。
しかしそれは、 高校卒業して離れて初めてわかったことだ。
乙哉はとても賢く、成績もトップクラスだった。
乙哉と同じ大学なんて、行けるわけがなかった。
なので、大学入学を期に二人は離ればなれになったのだ。
今の不倫相手の課長・和多に出会うまでに、梨々香は二人の男と付き合った。
二人共、どことなく…乙哉に似ていた。
優しくて、賢く、梨々香を包み込んでくれる人。
でも……どうしても乙哉と重ね、比べてしまい結局別れを告げられた。
そんな時に、課長に出会ったのだ。
他社からのヘッドハンティングにあったとかで、転職してきた課長。
乙哉とは、正反対の男だった。
冷淡で、自分勝手……でも、大人の落ち着きと安心感のある和多に、梨々香の心はあっという間にさらわれたのだ。
言い訳だが、最初は知らなかった。
まさか、既婚者だなんて……
だからと言って、梨々香も既婚者だとわかっても離れられなくて、ズルズル今日にいたっている。
「なんか、あった?」
「え?」
「一人で、バーなんてさ。なんか、あったのかなって!
それに、悲しそうな表情してた」
帰り、乙哉が送ってくれるとのことで、二人はゆっくり夜道を歩いていた。
「乙哉って、昔からよく私のこと見てるよね」
「は?」
「よく、気づいてくれてたなって!」
「まぁな……兄貴だし(笑)」
「私……」
「ん?」
「私ね…」
「うん」
変わらない、乙哉の優しい微笑み。
ダメだ!!
こんな綺麗な乙哉に、私のような汚ない人間が関わってはいけない。
「ううん……!
乙哉、送ってくれてありがとう!
家、すぐそこだから、ここで━━━━━」
梨々香はそう言いながら、足早に歩みを進めようとする。
しかしその手を、乙哉に掴まれた。
「乙哉、離して!」
「家の前まで、送る!」
「いいよ、すぐそこだし!」
「ダメ!!二度と放さない!!」
そのまま、手を握られた。
乙哉の大きな手。
肩幅も、広くなった?
背は……昔から高かったか……!
梨々香は、ボーッとそんなことを考えていた。