幼なじみの一途な狂愛
幼なじみの一途な狂愛
スグル「だから!
梨々香ちゃんを“幸せ”にしてやれってあれ程……
━━━━━━━
あ、切られた……」
悟史「どう?」
スグル「ダメ……どうしても、梨々香ちゃんと会わせないって」
貴生「光昭の言ってた通りになったな」
光昭「だから言ったでしょ?
乙哉“壊れる”って!」
スグル「そうだな…」
光昭「でもね……」
悟史「ん?」
貴生「光昭?」
光昭「“まだ”大丈夫だよ」
スグル「は?どうゆう意味?」
光昭「みんなや…もちろん乙哉にも内緒にしてたことがあるんだ」
スグル「え……?」
光昭「乙哉とスグルが、急な仕事で一時間バーを離れた時があるでしょ?」
スグル「うん」
光昭「あの時に、梨々ちゃんに言ったんだ。
もし、助けがほしくなったら僕に連絡して?って」
悟史「そうだったんだ」
貴生「でも、どうやって?乙哉はスマホも、取り上げてるはず」
光昭「梨々ちゃんのブローチだよ」
スグル「え?
あー、なんかお袋さんから貰ったブローチか!」
光昭「それに、ここのバーの番号を書いた小さな紙を貼りつけてる。この前もそれとなく乙哉に探りをいれたら、乙哉はブローチのこと気づいてないみたいだった」
悟史「さすが、光昭だな」
貴生「乙哉と同じで、賢いなぁ」
光昭「梨々ちゃんは、そんなことあり得ないって笑ってたけど………なんとか、説得したんだ。
いまだに連絡がないってことは………」
スグル「ん?」
光昭「もしかしたら……梨々ちゃんの方が、乙哉から放れられないのかも……?」
貴生「純愛は、ある意味怖いな……」
悟史「だな。乙哉も、本当は真っ直ぐなだけなのにな」
スグル「“一途”って……綺麗だけど、本当は何よりも恐ろしいのかもな……」
光昭「“10年”っいう長い期間は、二人にとって何だったんだろうね……
それがあったから二人は、一途に他人を想い合えてるけど、それがなかったら、お互いの気持ちに気づけなかったかも?
でももっと“普通”に相思相愛カップルでいられたかもしれない。
誰もが憧れるような……」
スグル「そうだな……」
光昭「僕はただ……梨々ちゃんからの連絡が“来ない”ことを願うよ……!」
光昭の呟きが、バーを響かせていた。
終
梨々香ちゃんを“幸せ”にしてやれってあれ程……
━━━━━━━
あ、切られた……」
悟史「どう?」
スグル「ダメ……どうしても、梨々香ちゃんと会わせないって」
貴生「光昭の言ってた通りになったな」
光昭「だから言ったでしょ?
乙哉“壊れる”って!」
スグル「そうだな…」
光昭「でもね……」
悟史「ん?」
貴生「光昭?」
光昭「“まだ”大丈夫だよ」
スグル「は?どうゆう意味?」
光昭「みんなや…もちろん乙哉にも内緒にしてたことがあるんだ」
スグル「え……?」
光昭「乙哉とスグルが、急な仕事で一時間バーを離れた時があるでしょ?」
スグル「うん」
光昭「あの時に、梨々ちゃんに言ったんだ。
もし、助けがほしくなったら僕に連絡して?って」
悟史「そうだったんだ」
貴生「でも、どうやって?乙哉はスマホも、取り上げてるはず」
光昭「梨々ちゃんのブローチだよ」
スグル「え?
あー、なんかお袋さんから貰ったブローチか!」
光昭「それに、ここのバーの番号を書いた小さな紙を貼りつけてる。この前もそれとなく乙哉に探りをいれたら、乙哉はブローチのこと気づいてないみたいだった」
悟史「さすが、光昭だな」
貴生「乙哉と同じで、賢いなぁ」
光昭「梨々ちゃんは、そんなことあり得ないって笑ってたけど………なんとか、説得したんだ。
いまだに連絡がないってことは………」
スグル「ん?」
光昭「もしかしたら……梨々ちゃんの方が、乙哉から放れられないのかも……?」
貴生「純愛は、ある意味怖いな……」
悟史「だな。乙哉も、本当は真っ直ぐなだけなのにな」
スグル「“一途”って……綺麗だけど、本当は何よりも恐ろしいのかもな……」
光昭「“10年”っいう長い期間は、二人にとって何だったんだろうね……
それがあったから二人は、一途に他人を想い合えてるけど、それがなかったら、お互いの気持ちに気づけなかったかも?
でももっと“普通”に相思相愛カップルでいられたかもしれない。
誰もが憧れるような……」
スグル「そうだな……」
光昭「僕はただ……梨々ちゃんからの連絡が“来ない”ことを願うよ……!」
光昭の呟きが、バーを響かせていた。
終