慶ちゃんが抱いてくれない!
そして……
お互い生まれたままの姿になっていた。
……肌を重ねて、普段触る事のないところにキスをされたり触られたり。
すごく恥ずかしくて…
でも、大好きな慶ちゃんが一番近くにいるのが嬉しくて…恥ずかしいのに気持ち良くて…
……大好きな慶ちゃんにこんなに幸せなのに、あと10年ちょっとしか一緒にいられないんだ。
本当はもっと……もっとたくさん一緒にいたい……
たくさん悩んで決めた事なのに涙が出る。
暗くしたからきっと慶ちゃんにバレてないと思う。
覚悟を決めて目を閉じると、慶ちゃんは急に動かなくなった。
「……慶ちゃん?」
「………ッ……ごめ……俺……頭では真穂が決めた事……クッ……わかってんのに……早くしないと取り返しのつかない事になるのわかってんのに……」
慶ちゃんは強く私を抱き締めて声を震わせながらそう言った。
前に楓ちゃんに言われた事がある。
慶ちゃんに寿命を縮めてもらうという事は悪い言い方をすれば慶ちゃんが私の事を殺すようなものだから慶ちゃんの気持ちもたくさん考えてあげてほしいと。
私だって慶ちゃんの立場だったら慶ちゃんの事殺せない……
「慶ちゃ……慶ちゃんごめんねっ……慶ちゃんにツラい思いたくさんさせちゃってる……あの……やっぱり私寿命300年でも大丈夫だからっ」
「いや……俺の覚悟が足りなかっただけだから。真穂の誕生日までには絶対覚悟決めるから……本当にごめん」
「うぅ……」
「……今日このまま一緒に寝ていい?」
「ん……」
慶ちゃんは腕枕をしてくれて抱き寄せてくれる。
「寒くない?」
「ん……慶ちゃん暖かいから寒くないよ……ね、手繋いで寝よ?」
慶ちゃんの腕枕をしていない方の手を握ると握り返してくれた。
最後まで出来なかったけど、慶ちゃんの愛をすごく感じられた夜だった。