慶ちゃんが抱いてくれない!
「真穂、真穂のおばあちゃんの家に本とか何か残ってない?呪いの事調べたい」
「は?そんな事してる間に南條いなくなるぞ、南條捕まえて本人から聞いた方が早いだろ」
「絶対言わないよ、でも絶対俺がどうにかする」
「武蔵君なら絶対どうにかしてくれそうな気がする……あっ!おばあちゃんの家ね!おばあちゃんがいなくなってからいつでも帰って来てもいいように年に何回かお父さんと掃除してるんだけど、本とかはそのまま置いてあったよ」
真穂のおばあちゃんの家は真穂の家のうちとは反対側の隣りにあって、離れのような一人で住むのにちょうどいい小さな家だ。
俺達は急いで真穂のおばあちゃんの家へと向かった。
真穂のおばあちゃんの家に着いて真穂が家の鍵を開けて中に入った。
中はカントリー風で暖かみがあり、小さい頃にここで真穂のおばあちゃんに昔の話を聞かせてもらったのを思い出した。
ここだけ時間が止まっている感じがして、昔と同じように真穂のおばあちゃんが奥から出てくるんじゃないかと思った。
「ここ…懐かしいな……昔と全然変わってないな……勝手に物動かして大丈夫か?真穂のおばあちゃん帰ってきたら怒られるんじゃ…」
真穂のおばあちゃんと最後に会ったのが小さい頃だったから慶次の中では怒られた印象が強いらしい。
慶次は危なそうな物とか興味本位ですぐ触ろうとする事が多かったからよく怒られてたっけ…
「もう小さい子供じゃないんだから…帰ってきたらちゃんと事情話そう。何か呪いについてわかりそうな本ないか探そう、俺この棚見るよ」
「わかった!私はこっち探すね!」
俺達は手分けをして呪いについて調べ始めた。
今日は元旦だ。
営業している場所は限られているし、楓ちゃんの性格上あぁ見えて臆病だから知らない土地や防犯性の低いところに一人で寝泊まりする事はないはず。
高級ホテルなら可能性はあるかもしれないけど、年末年始割高にしても予約が埋まるホテルで今日空いてるところなんてないだろう。
98%の確率で今夜は家に戻るはずだ。