慶ちゃんが抱いてくれない!




「これで楓ちゃんがいなくなる理由なくなったね」

「そうね……」

「仮だったのって副反応の事があったからでしょ?相談してくれたら良かったのに一人で抱えこむから」

「魔女の問題に武蔵君を巻き込みたくなかったの」

「告白した時点で巻き込まれる覚悟は出来てるよ、年下だし俺じゃ頼りない?楓ちゃんが階段から踏み外した時も助けたの慶次だもんなぁ……」

「そんな事ないよ!結局武蔵君にはいつも助けてもらってるのに……呪いも解いてもらってすごく感謝してて……」

「じゃあ、正式に付き合おう?」

「うん……よろしくお願いします……」

「こちらこそよろしくお願いします……楓ちゃん、呪い解いたお礼欲しいな」


武蔵君は私の手を握って笑顔でそう言った。


急に年下感だしてくる武蔵君可愛い……



「え、あ!うん!なんでも言って!なんでもする!」

「楓ちゃんからキスして欲しい」

「う、ううん?キス!?さっきしたじゃない!」

「俺からね?呪い解く為にね?数秒前に何でもするって……」

「言ったけど……もう、キスくらいいくらでもするわよ」



そう言うと武蔵君は目を閉じた。
改めて武蔵君の顔をジッと見る。



武蔵君、睫毛長い……それに肌も綺麗。
慶次君も整った顔してるし、兄弟揃って顔整ってるなんて羨ましいわ。
頭良すぎて変わったところあるけど、それも可愛いし、武蔵君の顔好き過ぎる……何でこんなに格好良くて可愛いの?



キス……か。
ずっと悩ませてきた呪いを解いてくれたんだもんね。



何度もキスをしようと顔を近付けては恥ずかしくなって思いきれない……



その時だ。
武蔵君は私の顎を掴んでキスをした……!?





「ん!?んんんーっ!?」





先程よりも長く甘い……





離れる時、武蔵君に最後に唇をチュッとされてもうとろけそうになってしまった。




「ごめん、待ちきれなかった」

「お、お礼にならないじゃない……」




また顔が熱い……




「顔真っ赤だよ?」




武蔵君はそう言って私の腰を引き寄せて頬にキスをする。




「……逆に武蔵君余裕過ぎじゃない?」

「余裕なわけないじゃん、心臓バクバクしてるし」




どうしよう……もう遅いし武蔵君を早く帰さないといけないのにまだ離れたくないし、帰したくない……。


今日はこれ以上一緒にいたら駄目。理性を保たないと……



「む、武蔵君……もうお家帰らないと……お家の人心配する」

「慶次が俺がここにいる事知ってるから大丈夫だよ。うちの親泊まりとか厳しくないし……ずっと触るの我慢してたから楓ちゃんの事離したくないんだけど。今日も泊まっちゃダメ?」

「う……ダメ……じゃない……で、でもっ……武蔵君は昨日寝た部屋で……ン」




また唇が重なって……



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