慶ちゃんが抱いてくれない!
そして慶ちゃんと……
「………痛ッ」
「わり……我慢出来るか?」
「…ウー…我慢……出来る…」
「……ごめん。俺の舌噛んでも良いからな」
慶ちゃんはそう言って深くキスをしてくれて…
私は慶ちゃんと繋いだ手をギューッと握って、初体験の痛みを堪えた。
慶ちゃんは私の手を握り返して震えながらもう一度キスをしてくれた。
「…………真穂………一生大事にする……」
私の頬に慶ちゃんの涙の雫がポタッと落ちてきた。
「慶ちゃん……泣いてる……」
「……泣いてねぇ」
慶ちゃんはそう言って、私を抱き締めた。
ついに身も心も慶ちゃんと結ばれた。
事が終わった後、慶ちゃんは腕枕をしてくれて抱き寄せてくれる。
「はぁ……なんか場所が場所だし、真穂のおばあちゃんに怒られそうだな」
「へへ……二人だけの内緒にしよ?」
「言えるわけないだろ……体は何ともない?」
「うん……ちょっと痛かったけど……それ以外は平気だよ!」
「……はぁ……これで真穂の魔力……なくなったんだよな?……なぁ、真穂。もう少し抱き締めてていい?」
慶ちゃんは溜息をついてそう言った。
「うんっ……私も慶ちゃんとこうしてたい…。慶ちゃん……慶ちゃんばっかり辛い思いさせちゃって…ごめ」
そう言いかけると慶ちゃんは私の唇と指で押さえた。
「謝るの禁止……何回も一緒に話あって決めた事だろ」
「ん……慶ちゃん大好き…」
「俺も……真穂の事愛してるよ……」
この日は一生忘れられない日となった。
慶ちゃんと結ばれて、身体的にはあまり変化はないように思えた。
魔力がなくなった事は言わなくても楓ちゃんにはわかるみたいで、自覚がないと言うと一緒に簡単な魔法薬を作ってくれた。
一時的に魔力が高まって作れた魔法薬は作れなくなっていて、よく遊びでやっていた占いも結果を出せなくなっていて、そうなるとやっと本当に自分が魔力の弱い魔女になった事を自覚した。