慶ちゃんが抱いてくれない!
家に着いてからも真穂は美緒の写真を見たりして興奮が冷めやまないようだった。
「はぁぁ、すっごく可愛かったぁ……またすぐ会いに行っても良いかな?」
「真穂。ちょっといい?」
「うん?どうしたの?」
「その……真穂は……子供の事どう考えてる?」
そう聞くと笑顔だった真穂の表情は少し悲しそうな表情に変わった。
「えっと……私と慶ちゃんの子供……って事だよね?」
「あぁ。どうするかちゃんと話し合いたい」
真穂が不安そうな顔になったので真穂の手を握った。
「正直な気持ちを聞かせて欲しい」
「……あの……慶ちゃんに嘘吐いたり、気持ち隠してもすぐにバレちゃうから正直言うね……慶ちゃんとの子すっごく欲しい」
「そうか」
「でもね……自分の寿命が長くないのわかってるのに……こんな事望んでいいのかわかんなくて……ふぅッ……それに生まれてくる子も魔女なんだよ?だから……私……」
そう言って涙を流す真穂を引き寄せて抱き締めた。
「真穂はさ……お母さんが自分を生まないで欲しかったって思ってる?」
「……思ってない。だってお母さんもお父さんも私の事いっぱい愛してくれて……慶ちゃんとも出会えて……武蔵君に楓ちゃん。たくさん大事な人に出会えて、辛い事もあったし、大変な事もあったけど楽しい事も嬉しい事もたくさんあって、私に生まれて来れて良かったよ」
「真穂の気持ちはわかった。ハッキリ言うけど、俺も真穂との子供欲しいとずっと思ってた……簡単な事じゃないかもしれないけど、しっかり育てる。俺達の子供が出来たら生まれてきて良かったって思うくらい愛してあげよう?」
「……うん」
それから一年半後。
真穂は女の子を出産した。