慶ちゃんが抱いてくれない!
「慶ちゃん」
「ん?」
「今日在宅ワークだったって嘘でしょ」
「やっぱりバレたか……でも、本当今日は出勤しないと出来ない仕事はないんだよ。家で仕事したい気分でさ」
俺は笑いながらそう言って真穂に背中を向けた。
すると真穂は俺の服をキュッと掴んだ。
「……慶ちゃん。少しの時間だけで良いからギュッてして?」
俺はすぐに真穂を引き寄せて抱き締めた。
何でそう思うのかわからないし、絶対に口に出したくないけど……
真穂がいる朝は明日からもう来ない。
そして……真穂もそれに気付いている。
結局今日の仕事は休む事にした。