慶ちゃんが抱いてくれない!
あれ?そういえば真穂は何処に行った?
さり気なく真穂の席を見ると、真穂の姿がない。
「慶次くーん!全部集まったみたいだし、職員室行こ?」
「あと一人足りないかもしれない」
「……あ、もしかして花沢さんの?ここにあるよ~」
「マジで?いつの間に…」
「さっきすぐに出してくれたよ」
南條のところに出しに来た様に見えなかったのもあったけど、絶対に俺のところに出しに来ると思っていたからかなり驚いた。
「それじゃ、行こっか」
「あー…俺が出しておくから」
「ダーメ!私だって先生に頼まれたんだから~!早く行こう?」
南條はそう言って、俺にウインクをした。
いくら先生に頼まれたからといって二人でいるところを見られるとまた真穂の暴走に繋がりかねないが…前回の時に南條については解決済みだ。
真穂だってわかってはいるとは思うけど、あの暴走は真穂の意思関係なく起きるからな…さっさと済ませるか。
真穂の暴走が起きると面倒な事になるのはわかってるけど、内心少しだけだが嫉妬してくれる事を嬉しく思う自分がいて呆れる…。