慶ちゃんが抱いてくれない!
………あれ?
なんか………無性にキスがしたい!
私はスマートフォンを床に落として、無意識に扉を開けようとしていた。
ハッとして、扉に手をかけていた手を止めた。
「わぁ!私、何してるんだろ…スマホで武蔵君呼ばないといけないのに……」
……体と心がバラバラになってるみたい。
なんで……なんで私がキスしたくなってるの!?
どうしよ…このままじゃ、私……慶ちゃん以外の人とキスしちゃうかもしれない……キスなんてした事ないのにしたくてしたくてたまらない!
こんな状態でここから出たらいけないのに、私の体は言うことを聞いてくれなくなっていた。
そうだ…慶ちゃんか武蔵君のいるところまで行かないと…。
頭が混乱していて扉を開けて廊下に出てしまった。
ドンッ
「おう!?ごめん!大丈夫?」
ふらふらしながら廊下を歩いていると、男子とぶつかった。
「…大じょぅ………」
はぁ……あ……目の前に男の人の唇がある。
キスしたい……。