慶ちゃんが抱いてくれない!
唇が離れて抱き着いたままポーっとしていると、ハッとした。
「……私……今……」
つい十数秒前までの記憶が鮮明に思い出される。
誰かと夢中でキス……してた!?
誰かとっていうか、この私が抱き着いてる人なんだけど……
どうしよ……しかも……まだ効果が残ってるみたいで…まだキスしたい……!
「あ…あ…!ごめんなさいっ!私、さっき変になってて!私には慶ちゃんっていう心に決めた人が!!」
急いで離れて恐る恐る目を開けると、目の前にいたのは慶ちゃんだった。
慶ちゃんは目を細めて私を見ていた。
「慶ちゃん!?」
「やっと正気になった…?」
「えっ…じゃあ、私…慶ちゃんと……?」
「違う…さっきのは水飲ませただけだ…そういうアレじゃないから」
「うぅ……慶ちゃん…」
「どうした?具合悪くなったか?」
私は慶ちゃんにバッと抱き着いて、慶ちゃんの頬や首にキスをしていた。