慶ちゃんが抱いてくれない!
暴走
うー…教室に行きたくない。
教室に着いちゃうと……
「慶次~!おはよぉ~」
「ねぇ、見て!リップの色変えてみたのぉ」
クラスの目立つ派手なグループの女の子達が私を押し退けて慶ちゃんの周りに見えない壁を作られる。
こうなると、慶ちゃんには近付けなくなる。
「前がどんな色だったかなんて覚えてねぇよ。くっ付くなって」
「えー!じゃあ、今の色覚えてっ」
慶ちゃんは女の子達をいつもの様に冷たくあしらいながら席に着いた。
席に着いても女子達の鉄壁は崩れることはない。
慶ちゃんは昔からすごくモテる。私も慶ちゃんに惚れた1人だけど…
慶ちゃんは顔は整っている。背は175㎝でスタイルもそこそこ良い。
右の目の下に小さい頃に出来た傷痕があるけど、それすらゲームやアニメのキャラみたいで格好良いと評判だ。
勉強とスポーツもそこそこ出来る。
性格はかなりぶっきらぼうで、意地悪。
好意を寄せてくる相手は適当にあしらっていて特にコミュニケーション能力が高いわけでもないのに、何故か人が寄ってくる。
小さい頃はいつもニコニコしていて私に対してすごく優しかった。
まぁ…ずば抜けた何かがあるわけではないけど、とにかく昔から女の子によくモテた。
幼馴染みで家がお隣同士の特権で一緒にいる時間は多いけど…
「慶次~昨日の数学の宿題のここのところ教えてぇ」
「わかったからあんまりくっ付くなよ」
クラス一巨乳で色っぽいの南條(ナンジョウ)さんが、慶ちゃんの腕に胸を押し付けながらベタベタとくっ付いているのが見えた。