慶ちゃんが抱いてくれない!
慶ちゃんとのキスで…頭がほわほわする…。
唇が離れてからもボーっとしていると慶ちゃんは私の顔の覗き込んだ。
「……治まった……か?」
「……もうキスしたくない」
「よし、この水飲んで。次の授業始まったら誰か来るかもしれないから早くここ出よう」
「うん……ここ出て慶ちゃんと結婚するぅ……」
慶ちゃんは華麗にスルーをしてペットボトルのお水を飲ましてくれて、腕を引っ張られて引かれるがままに歩いた。
ガラッ
扉を開けると、壁に寄りかかって魔法薬の本を読んでる武蔵君がいた。
そして、武蔵君の隣りには何故か南條さんがいた。
どうして南條さんがいるんだろう?
でも…今は頭ふわふわしてるし、どうでもいいや……。
「あ!治まった?……って…慶次、何かすごい激しい戦いの後みたいになってるけど…首の所歯型まで付いてるし…」
「……すげぇ疲れた……もうあの魔法薬一生作るなよ」
「武蔵君……!」
私は武蔵君の手を掴んだ。
「な、何?」
「私…慶ちゃんとすごく愛し合って結婚しました…。武蔵君の妹になります…」
「え!?慶次!この短時間で!?俺はそういう事させる為に外で見張ってたんじゃないよ!」
「違う!キス欲治まったらフワフワして馬鹿になってんだよ…もうすぐ昼休み終わるし、とりあえず保健室連れてく」
慶ちゃんはそう言って私の腕を掴んで、武蔵君から引き離した。
すると、ずっと黙っていた南條さんが私の顎を掴んだ。
「ん~…これ、完全に酔っ払ってるわ。魔法薬の副作用とキスで酔っちゃったみたい…幸福度上がり過ぎると稀にあるんだよね」
「これ酔ってんのか?言ってる事は割といつも通りだけど……っつーか、何でお前は当たり前の様にいるんだ…?」
「ここで熱心に魔法薬の本読んでたから声掛けちゃった!慶次君のお兄さんだったんだね」
「慶次!南條さん、本物の魔女なんだって!知ってた?」
「あぁ…この前たまたまな……」
「何で早く教えてくれないんだよー!」
「ん?言っておくけど…私、彼には何もしてないから安心して」
「それより、こんな酔っ払ってる花沢さんを保健室に連れて行ったら飲酒だと思われて問題になりかねないよ?」
「確かにそうだよね…作っちゃった責任もあるし、真穂の酔いが覚めるまで部室で休ませておくよ。あそこなら部活の時以外人来ないし。俺がついておくから、慶次は授業出な」
「いや……真穂には俺がついてる。部室の鍵だけ貸して。南條、悪い。先生に上手く言っておいて」
みんなが何か色々言ってるけど……何も頭に入って来ない。
私は慶ちゃんに引っ張られて、その場を移動した。