慶ちゃんが抱いてくれない!
中途半端な関係 ~真穂side~
「最近、慶ちゃん変なんだよねー…」
部活中、いつもの様に魔法薬を作っている武蔵君と最近入った南條さんに向かって呟いた。
南條さんは武蔵君の魔法薬の製薬も手伝ってくれるし、魔女についても色々教えてくれるのですっかり仲良しになっていた。
「慶次はいつも変だよ。俺が言うのもなんだけど」
「え!?」
「素直じゃなくて可愛いよね~」
「特に真穂の前ではな」
「素直になれる魔法薬作ってあげようかな」
「駄目!……今、ちょっとだけだけど、慶ちゃんと良い感じ?だから……魔法の薬とか使いたくないの」
そう言うと、武蔵君と南條さんは顔を見合わせた。
「慶次君とは具体的にどう良い感じなの?」
「えっとね!私がくっ付いてもそのままでいてくれるし!」
「あー。前は可哀想なくらいくっ付くの拒否られてたよね。確かに最近くっ付いてるの見た事あるな」
「二人は家族の前でもイチャイチャしてるの?」
「うん、昔からだからうちの家族も真穂のお父さんも俺も見慣れてるよ」
「イチャイチャしてないよ!したいけど!いつも慶ちゃんに怒られるもん!」
「そしたらいつも通りなんじゃない?」
「ううん、ふざけて手繋いだらそのまま手繋いで歩いてくれたの!」
「それは思ったより進んでた!」
「聞いてる限り慶次君の基準ガバガバ過ぎて全然わからなんだけど……早く付き合えって堂々とイチャイチャすればいいのに」
「それで……キスも……した……」
そう言うと、二人は一瞬固まった。