慶ちゃんが抱いてくれない!
「それでは…王様ゲーム!」
げ……よりにもよって……今時もっとボードゲームとか他にあるだろ……!
メンバーがメンバーだから……触れ合う系の何かするかもしれないとは何となく予想していたけど、真穂が変な命令に巻き込まれそうになったら強引に阻止しないと。
「王様ゲームって小学校ぶりだー」
「へぇ、そうなんだ?今やっても結構盛り上がると思うよ!俺、真穂ちゃんと何か当たりたいなぁ」
小山の野郎…何、馴れ馴れしく名前で呼んでんだよ!!
「えっ…うー…デコピンとかしっぺとかだったらあんまり痛くしないでね?小学生の時、慶ちゃんってばデコピン痛いのして来ておデコ赤くなっちゃったんだよ!」
「昔の話だろ!子供の頃の話持ち出すなよ!」
そもそも今からやる王様ゲームにそんな項目出てこないと思う…
「はは!大丈夫だよ!俺は真穂ちゃんにそんな事しないからね…そうなっても優しくするよ」
「俺だって今なら手加減するに決まってんだろ」
「っていうか、慶次何で真穂ちゃんの隣りに移動してんの?元の席に戻りなよ」
「真穂の父ちゃんに真穂を任されてるからな?」
真穂の隣りを確保する為に徹底的に保護者になる事にした。
王様ゲームが始まると、案の定スキンシップの多い命令ばかりだ。
「4番が6番を抱き締める!」
げ……俺、6番かよ…。
「俺!オレオレ!4番!相手は女子希望!」
「ふっ。そんな上手くいくかよ。6番は俺だ」
「ぐあぁ!慶次!好きだああぁ!!」
「きゃー!受け身の慶次君も格好良いっ!」
思った以上に盛り上がっていて、真穂も楽しそうにしている。
みんなの中で一応ラインが決まってるのかもしれない。ギリギリセーフなスキンシップばかりだ。