慶ちゃんが抱いてくれない!
「…悪い。夜景見たくて乗ったのに、全然見れてねー」
「ううん!それよりも、慶ちゃんの告白の方が何百倍も嬉しいからいいよー」
慶ちゃんがふっと笑って、顔を窓の外に向けたので私も一緒に窓の外を眺めた。
「わぁ!夜景綺麗だね!」
「…あぁ」
夜景を見ながら慶ちゃんと手を繋いだ。
「へへっ」
「……キスでもしとく?」
「エッ!?」
いつも黙って突然してたから、宣言されて驚いてしまった。
「ごめん…聞き方間違えた…。真穂とキスしたい。キスしていい?」
「うん!私もしたい!あー!慶ちゃんがそんな事言ってくれるなんて!」
「言っておくけど、今……すげぇ恥ずかしいんだからな……?明るいところだったら絶対言わないから…」
そう言って、慶ちゃんは私の頬に手を添えて唇を重ねた。
魔力を持たない魔女になったらあと10数年しか大好きな慶ちゃんと一緒にいられないと思うと……もっと一緒にいたいと思い始めてしまった。