慶ちゃんが抱いてくれない!
俺が怒った様な態度を見せたから不安みたいで歩き始めると俺のコートを掴んだまま着いて来た。
「……今日は俺が楓ちゃんの事知りたくて誘ったんだから楓ちゃんの好きな食べ物食べに行こう。それで今日はお金も全部俺が出すから」
「は!?そんなの駄目!年下の子に出させるわけにはっ」
「今日来てくれたって事は年下でも俺の事ありだと思ってるって取ってるよ?年下扱いしないで、異性としてデートさせて」
「う……でもさ、今の時代みんなデート割り勘じゃない?」
「落としたい子との初回デートはそうでもないでしょ」
「そうなの?……っていうか、まだ落としたい子だと思ってくれてるの?」
「当たり前じゃん、まだデート始まったばっかりだよ?なんなら今待ち合わせ時間だからね?」
「……武蔵君さっき怒ってた」
「うん、魔力使って人の事苦しめたり、楽しみ奪う様な事はしないで欲しい」
「わかった……悪い気分にさせてごめんね」
「そんなに謝らないで?そうそう!昼ご飯のお店どうしようか、何食べたい?」
「たこ焼き。たこ焼きが食べたい」
即答だった。
何食べたいか聞いた時に即答する人って珍しい!
「たこ焼きか……って俺が奢るって言ったからリーズナブルな物選んでない?」
「選んでないよ、たこ焼きが食べたい!武蔵君嫌い?」
「いや、普通に好きだけど……じゃあ、駅前にあるたこ焼きの店で買って近くの自然公園で食べようか」
落ち込んでいた楓ちゃんだったけど、たこ焼きに決まるとすごく嬉しそうにしていた。
そんな食べたかったんだ。
嬉しそうにしてる楓ちゃん可愛いな。
学校の帰りでも食べられそうだけどと思ったのは内緒だけど。