慶ちゃんが抱いてくれない!
クリスマスイブ ~真穂side~
修学旅行で慶ちゃんとついに付き合う事になった。
慶ちゃんに集まってくる女の子達の視線は痛いけど……。
でも、慶ちゃんがちゃんと私と付き合ってる事もハッキリと言ってくれて……
「はぁあああ!慶ちゃんカッコイイよーー!!」
「ねぇ、真穂。慶次とラブラブなのは良いけど……何この点数」
今日はテスト返却日。
放課後。化学部の部室で期末テストの結果を武蔵君に見せたところ……武蔵君は低い声でそう言った。
「え…えーっと……赤点はなかったよ…?」
「赤点じゃなきゃいいってものじゃないよね?はぁ……勉強会の時、前にも増して慶次の事ばっかり見てたから絶対集中してないと思ったんだよな」
武蔵君は勉強に関しては昔からお父さんよりも厳しい……。
いつも試験前は慶ちゃんと三人で勉強会をしていて、今回は武蔵君に気付かれないようにテーブルの下で手を繋いでいたりしていたら勉強が全然身に入らず……。
全教科赤点は免れたものの、ほとんどが50点に満たなかった。