慶ちゃんが抱いてくれない!
その日の夜。
南條がケーキを買ってきてくれて、兄貴も家で勉強をしながらもローストチキンを用意してくれて真穂の家でクリスマスパーティをやった。
兄貴が言ってたように本当は真穂と付き合って初めてのクリスマスだし、二人で過ごしたいのは山々だったが……真穂がみんなでやりたいと言うのだから仕方ない。
一応今までやっていたバイトで貯めてた金で真穂にネックレスとか用意したけど、これから渡すタイミングがあるか分からない。
始まる前に二人でイチャついてた時に渡せば良かったと後悔した。
「ねぇ!楓ちゃんの持ってきたケーキ、高級で美味しくて有名なショートケーキだよね!?」
南條がケーキを出すと、真穂が目を輝かせてそう言った。
「まぁね。前に食べたら美味しかったから」
南條は何だか高そうなシャンパンまで手に持っていた。
「楓ちゃん、そのシャンパン15万もするやつじゃん」
兄貴はラベルをスマートフォンで検索していた。