慶ちゃんが抱いてくれない!
「あ、このシャンパンは自分用だからね?あなた達にはシャンメリー買ってきたからそっち飲んでね」
「すごい…楓ちゃんのお金持ちなんだね!」
「そりゃあ、社会人だって200年以上やってたからね?無駄遣いしても困らないくらいお金もあるの」
そういえば、南條は見た目は俺達とそんな変わらないけど……もうかなり長い間生きてるのを忘れてた。
毎年、クリスマスパーティではクリスマスなのに部屋を暗くしてホラー映画を観るのが恒例になっていて、今年もそれをする事になっている。
「慶ちゃん……今年はあんまり怖くないのにしてくれた?」
「さぁな?見てみないと分からないからなぁ」
「何で折角のクリスマスにホラー映画なんか見なくちゃいけないのよ!」
南條は怖いのかわからないが、シャンパンを飲むペースがかなり上がっていた。
「楓ちゃん、200年以上も生きててもやっぱりホラーは怖いの?」
「そ、そんなわけないじゃない!今なんか何処行っても明るくて、安全なんだから怖くないわよ!昔なんて、薄暗いし…その辺に人の死体とかあってもおかしくなかったんだから」
「ははっ…確かにそんな時代を生きてきた楓ちゃんにしたら何見ても大した事ないだろうね」
南條は文句を言っていたが、とりあえずホラー映画をテレビで再生させて部屋の電気を消した。