唯くん、大丈夫?
「私とキスすれば唯先輩と間接キスできますよ。してみます?
…唯先輩より気持ちいいキス、できると思いますよ。」
「かッ!?だだだだ大丈夫っす!大丈夫っす!」
「フフ。かわいい。優花先輩。食べちゃいたい。」
「やめとこう!!おいしくないよ!!超まずいよ!!」
どんどん迫ってくるユリアちゃんに必死で美味しくないアピールをしていると、美琴が大量のケーキを持って戻ってきた。
「ん?何してんの?」
「…浮気です。」
ユリアちゃんが私の頬に両手を添えたままニコッと笑う。
「そっか。」
「違くない?美琴さんその反応違くない?」
「それはそうと優花。」
「違うんだよ、それはそうとで済む事態じゃないんだよ」
美琴は無視してケーキの苺にフォークを刺しながら続けた。
「テストも終わったことだし、早く唯と仲直りしなよ。唯もいっぱいいっぱいだったけど、優花のこと凄く心配してたんだよ」
「…えっ」
私のことを、
心配…?
「唯くんが……?」
「うん。もう毎朝毎朝、あいつどうしてる?って。気になるなら連絡すればいいのにって言ったら、会いたくなって勉強どころじゃなくなるからって」
「…っ」
私の記憶の中で
何度も繰り返し冷たい言葉を吐いていた唯くんが