唯くん、大丈夫?
羽根村家の日常。
「…こぬ」
もふもふピンクの大きなウサギさんのぬいぐるみをお腹に抱きしめてスマホとにらめっこする私に、
隣でアイドルの育成ゲームをしてる弟の咲優(さゆ)が画面から目を離さずに、また何か言ってるよコイツと言わんばかりの「は?」をよこした。
「こぬのだ」
「コヌノダ?何の呪文?…あ、カフェの話?喫茶コヌノダ?」
「ちゃう。来ぬのだ!返信が来ぬのだ!!」
「普通の日本語話せよ。殺すぞ」
なんだかんだいつも返事してくれる絶賛反抗期中の咲優、ゲロ可愛い。
ちなみに咲優の言ってることが本気だったら私はもう100回は殺されてる。
咲優が私とよく似た一重の目を細めてため息をついた。
「…例の『唯くん』?」
私は返事をする代わりにぬいぐるみにぽふっと顔をうずめて「既読もつかぬのだ」ともごついた声で言う。
ケーキバイキングから帰ってきてさっそく、私はいてもたってもいられなくて唯くんに連絡をした。
書いては消し、書いては消しを繰り返してようやく送ったのは、
『唯くん』
『会いたいです』
…これだけ。
これ以上なんて送ったらいいのか、分からぬのだ。
もふもふピンクの大きなウサギさんのぬいぐるみをお腹に抱きしめてスマホとにらめっこする私に、
隣でアイドルの育成ゲームをしてる弟の咲優(さゆ)が画面から目を離さずに、また何か言ってるよコイツと言わんばかりの「は?」をよこした。
「こぬのだ」
「コヌノダ?何の呪文?…あ、カフェの話?喫茶コヌノダ?」
「ちゃう。来ぬのだ!返信が来ぬのだ!!」
「普通の日本語話せよ。殺すぞ」
なんだかんだいつも返事してくれる絶賛反抗期中の咲優、ゲロ可愛い。
ちなみに咲優の言ってることが本気だったら私はもう100回は殺されてる。
咲優が私とよく似た一重の目を細めてため息をついた。
「…例の『唯くん』?」
私は返事をする代わりにぬいぐるみにぽふっと顔をうずめて「既読もつかぬのだ」ともごついた声で言う。
ケーキバイキングから帰ってきてさっそく、私はいてもたってもいられなくて唯くんに連絡をした。
書いては消し、書いては消しを繰り返してようやく送ったのは、
『唯くん』
『会いたいです』
…これだけ。
これ以上なんて送ったらいいのか、分からぬのだ。