唯くん、大丈夫?
私はそれをほほえましく見守ってからキッチンに行き、スープに火をつけてグラタンとサラダを冷蔵庫から取り出した。


ハッとしてスマホをチェックしてみるけど、相変わらず既読はつかないまま。


「…」


「優花ー。なんかつまみあるかー?」

お父さんが冷蔵庫からビールを取り出してプシュッと軽快な音を鳴らした。


「あ、たこわさとピクルスあるよ~」

「いいねぇ!」


グラタンをオーブンにセットすると、ブーン…とゆっくり動き始める。


その音と一緒に、不安な気持ちがむくむくとお腹にたまっていくのを感じる。



お父さんにお箸とおつまみを手渡した。


「ッ、か〜!娘の作ったツマミにビール。サイッコーだなぁ〜!」


「…」


「どうした?優花」


「ん?」


お父さんの不思議そうな顔を見て、慌ててヘラヘラ笑う。


「はー!テスト終わってケーキ食べて、サイッコーだな〜!はい、お父さんカーンパーイ!」


咲優が何か言いたそうな顔でこちらを見るのを無視して、
お茶の入ったグラスをお父さんの缶ビールに軽く当てた。





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