唯くん、大丈夫?
お茶を飲みながら、
スープを混ぜながら、
お風呂の準備をしながら、
音沙汰のないスマホの画面を何度も覗いてその先の唯くんを想像する
「…」
不意にトン、と肘を突かれる。
「ん、なに?咲優?」
咲優はお父さんが食べ終えた食器をシンクに置いて、水道の蛇口を捻った。
あんなにちっちゃかったのに、男の子らしい腕になってきたなぁ。
「…きっと寝てんだよ。もしくはなんか用事してるとか。気にすんな。」
私より少しだけ大きくなった咲優が、ぶっきらぼうに言う。
「…やっぱり一緒に入る?お風呂」
「入んねーよバーカ」
「こら、お姉ちゃんに向かってバカとはなんだ。」
「アホ」
「ぐっ。否定できない。」
「片付けとくからとっとと入ってこいよ。歌でも歌ってたら考えなくて済むだろ。」
「…ちゃゆぅぅうううう!!好き好き好きぃー!!」
手が泡に覆われて身動きが取れない咲優をいいことに抱きついた。
「おい!ひっつくなよ!殺すぞ!バカ姉貴!!」
「咲優になら殺されてもいい!!」
「気持ち悪いこと言うな!!」
そしてそのまま
スマホは画面を光らせることなく
朝を迎えたのだった。
スープを混ぜながら、
お風呂の準備をしながら、
音沙汰のないスマホの画面を何度も覗いてその先の唯くんを想像する
「…」
不意にトン、と肘を突かれる。
「ん、なに?咲優?」
咲優はお父さんが食べ終えた食器をシンクに置いて、水道の蛇口を捻った。
あんなにちっちゃかったのに、男の子らしい腕になってきたなぁ。
「…きっと寝てんだよ。もしくはなんか用事してるとか。気にすんな。」
私より少しだけ大きくなった咲優が、ぶっきらぼうに言う。
「…やっぱり一緒に入る?お風呂」
「入んねーよバーカ」
「こら、お姉ちゃんに向かってバカとはなんだ。」
「アホ」
「ぐっ。否定できない。」
「片付けとくからとっとと入ってこいよ。歌でも歌ってたら考えなくて済むだろ。」
「…ちゃゆぅぅうううう!!好き好き好きぃー!!」
手が泡に覆われて身動きが取れない咲優をいいことに抱きついた。
「おい!ひっつくなよ!殺すぞ!バカ姉貴!!」
「咲優になら殺されてもいい!!」
「気持ち悪いこと言うな!!」
そしてそのまま
スマホは画面を光らせることなく
朝を迎えたのだった。