唯くん、大丈夫?
「随分と悪い趣味を持ってるみたいですけど、もし次やったら、女とは言え殺します」

「唯さん、唯さん、そんな物騒なことを言ってはいけませんよ」

なぜか敬語になる唯くんと私。


「フフ、こわ〜い。じゃあ優花先輩、今度は隠れてやりましょうね?」


ユリアちゃんが小声で、でも唯くんにも聞こえるように言って、唯くんの手にまた力がこもる。


「いだだだだだ!唯くん!壊死する!手、壊死する!」



ユリアちゃんどうして!?どうしてそんな煽る!?




「…ブッ。あっはは!あーおもしろ。冗談ですよ、じょーだん。」



ユリアちゃんがゲラゲラ笑って、唯くんがまたキレる気配がする。



「はー…はい。お詫びです。」




ひとしきり笑ったユリアちゃんは、唯くんの手に何かを手渡した。





「ここ、カップルで行くと別れるっていうジンクスがあるらしいですよ。もしそうなったら教えてください。じゃ。」





ユリアちゃんはかき回すだけかき回して、しゃなりしゃなりと去っていった。







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