唯くん、大丈夫?
「…あの痴女…」



唯くんがひどく苛立った様子でユリアちゃんの背中に舌打ちを落とす。



「あ、あっはは〜!ユリアちゃん、面白い子だね〜!」



空気を変えようとヘラヘラすると唯くんに流し目で睨まれる。



「すんません」




「…」





唯くんがおもむろに身をかがめて、






「!」





私の唇を、消毒した。



「…っ」



そのまま、まだ少し不機嫌な目で紅潮していく私を見つめる。



「んー…」



少し悩む素振りをしてから、

ちゅ、ちゅ、とついばむようにキスした。






「…よし。」






さっきものすごい強さで握っていた私の手を、親指で撫でながら歩き始める。


















か、




かんわひい!!!!(かわいい)





よし。って、


よし。って頷いてたよ今…!


尊い…尊すぎるな?


あーかわいい!


世界一かわいい!!







「唯くん…君は天才だぁ…」


「は?なんで?」


「すんません」




またちょっと不機嫌がぶり返してきてる唯くんに反射的に謝る。


ふと、唯くんのもう片方の手が目に入った。




「ねね、ユリアちゃんになにもらったの?」


「ん?あー」



唯くんが手のひらを広げて、クシャッとなったそれを2人で覗き込んで、

目を見張った。



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