唯くん、大丈夫?
ものすごいキラキラオーラを放った2人の後姿を見送る。
2人のスタイルの良さとキリっとした雰囲気は、所塚歌劇団の男役スターを彷彿とさせる。
「美琴は警察官かぁ」
「もう悪いこと出来ねーな」
「悪いことしてたの?」
「さぁ?」
唯くんが肩をすくめた。
美琴が警察官になると言い出したのは学年末テストが終わってからのこと。
進路指導の先生に「柊は優秀なんだから四大に行ってからでもいいのでは」と説得されていたけど、なるべくはやく現場に出て一人前になりたいという美琴の決意は固かった。
やっぱり美琴はかっこいい。
警察官になるなんて似合い過ぎだよ、美琴。
「ねね、唯くんは工学部って言ってたよね?」
「うん」
「じゃあさ、一緒の大学受けようよ!」
「どこ?」
私は天高らかに言った。
「明応大!」