唯くん、大丈夫？

「いつもありがとうな、優花。優花は受験生なのに家事もやらせちゃって…いつも遅くなっちゃって悪いな。」


「全然ヘーキだよ！家事は気分転換になるし、咲優も手伝ってくれてるし。でも、お父さんが作ってくれるのすっごく嬉しいよ！」


「そうか？そう言ってもらえると俺も嬉し…あっ」


べキャッ！じゅぅぅ…




「「…」」




卵がフライパンの上で殻ごとうなだれてる。




「…おとっさん！どんまーい！」


「だはー、やり直しだぁー」



ヘラヘラする私とお父さん。

私たちはこのヘラヘラした顔がよく似てるらしい。



「あ、そういえば優花」


お父さんがフライパンにへばりついた殻入り卵と格闘しながら私を見やる。


「机にあった模試の結果見たぞ。凄いじゃないか、明応大A判定だったな！」


「そう！そうなの！ちょうど得意なところが出ただけだから油断できないけど…それでも最初はE判定だったから、だいぶ合格に近づいた気がする！」


「そうだよな。最初に明応大受けるって聞いたときは驚いたけど…これまでよく頑張ってきたよなぁ。……うっ」


「お、お父さん泣かないで…まだ終わってないよ！」


「あぁ…そうか…そうだよな。泣くのは合格してからだな。」


「…うん！」