唯くん、大丈夫?
「送るよ。今日車だから」
「えっ、いいよ!遠いよ。」
「こっから40分とかだろ?全然大丈夫だよ」
「いやいや、いいよ。悪いよ。」
「いやいや、いいよいいよ」
「いやいや、いやいや」
「いやいや、いやい…」
「あ、そーだ。今の備品係って優花?」
みね君といやいや言い合って収集つかなくなってると、種田君が口をはさんだ。
「うん。家に積みあがってるよー」
備品係とは、サークル共用の備品で普段は使わないけど捨てるわけにはいかないようなもの達を家に置いておくだけの係。
まったりサークルのINBAは部室とかがないから係として設けて、一人暮らしの人が持ち回りで担当しているのだ。
「そろそろ交代しとこう。備品、長嶺の車に積んどけるか?」
「うん。いけるよ。」
「んじゃよろー」
種田君はそう言って背中を向けると、後ろ手にグッドサインを作った。
「…」
「気が利くぅ。」
押し黙る私にみね君がニッと可愛い笑顔を向けた。