唯くん、大丈夫?
「…」









唯くんは何も言わず、目を少しだけ大きくしてる。





…唯くんだ。



本物の唯くんだ。



少し雰囲気が変わって大人っぽくなってるけど、



紛れもなく、唯くんだ。








…いや、



待って。












かっこよ………!?











この4年間、唯くんへの様々な複雑な感情と付き合ってきたはずなのに

その全部が吹っ飛んで『なんだ?このかっこいい人』という感想になってしまっている。

わたしはその完成されたどえらいイケメンを呆然と眺めた。


すると、顔がみるみる真っ赤に染まっていく。








「…え」








私の顔じゃなくて、唯くんの顔が。







「え…!?」







唯くんの顔が赤く…!?







咄嗟に唯くんがその顔を伏せた。


すると耳まで真っ赤になってるのが見える。



「え、え、だ、だいじょ、だいじょぶ…?もしか、熱!?」



私はビックリしすぎて口がうまく回らない。



だってこんな顔の赤い唯くん、見たことない。
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