唯くん、大丈夫?
「唯がやることはただひとつ。
自分の気持ちを素直にまっすぐ伝えること。
それだけだよ。」








どこまでも澄んだ、まっすぐな目で美琴が言った。








「…ハッ。」


俺は鼻で笑って美琴の手を退ける。




「言ってどうすんの?困らせるだけだろ」





今更

もう遅い





「…言い訳がましい。」


美琴が俺を睨む。


「なんとでも言え」


「怖いだけでしょ。優花に見られるのが。ダサいとこ見られるのが。
優花に初めて告白した時のまっすぐな唯はどこ行ったの?」


「…もう嫌なんだよ。俺の都合で傷つけたり泣かせたりするの」








刹那、


病み上がりのはずの美琴から、俺の脇腹に見事なボディーブローが入った。










「ウッ…!?」





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