唯くん、大丈夫?
「………え?」
今、なんつった?
「苦しくても、そばにいれなくても、唯くんを忘れたくない。唯くんの思い出と一緒にいたいって。」
心臓が、
ドクドクと早鐘を打ち始める。
喉が渇きを覚え、じんわりと手に汗が滲んで、
視界がグラグラと揺れる。
「それ……優花が言ったの…?」
「優花の他に誰が言うんだよバーカ」
え、
え…?
俺は軽い酸欠を起こしてよろめき、ガードレールに手をついた。
長嶺光が立ち上がって、今度は俺の方が見下される。
「…なんで優花は思い出の中のあんたとしか一緒にいれないの?生きてんじゃん、唯くん。」
驚きすぎて、夢の中みたいに長嶺光のセリフがふわふわと浮いてちゃんと頭に入ってこない。
「…ちょっと待て、優花って好きな人が…?」
「うん。だからお前だろ、それ」
「………俺?」
「はー!揃いも揃って!だから俺みたいなやつにつけ込まれんだよ!!」
しびれを切らした元チャラ男が盛大にキレ始めた。
「どーせお互いに相手のこと考えすぎて訳わかんなくなったんだろうけど、何をクソ真面目に4年も健気に思い合って無駄にしてんの?は?
あーもぉー!バーカ!バカバカバーカ!
なんで俺までそれに付き合ってこの血気盛んな4年間を捧げなきゃいけないわけ!?
あー!俺のビッグなマグナムもったいねー!!」