唯くん、大丈夫?
もう一回。
ドアがプシューッと音を立てて閉まり、ゆっくり動き始める。
同時に唯くんがゆら…と歩いてこちらに近づいてくる。
騒然とする周りのお客さんが困惑しながらも道をあけて、唯くんが私をまっすぐ捉えながらそこを通る。
そして唯くんが、
私の目の前に来た。
私は、開いた口が塞がらない。
「ハァ、ハァ、ハァ…ゲホッ、」
「…」
と……っても、しんどそう。
「…だ、大丈夫?」
唯くんが懸命に息を整えながら、顔を上げる。
その射抜くような目に、ドクン、と胸が高鳴る。
唯くんの火傷しそうなほど熱くなった右手が私の手をギュッと掴んだ。
「…っ、好きです。付き合ってください。」