唯くん、大丈夫?
『…っ、てめぇ今まで何してやがったんだゴルァ!!』


スマホ越しのその怒号がこちらまで聞こえて、私は思わず肩を震わせた。

唯くんは煩わしそうにスマホから耳を離してる。


「まぁまぁ、落ち着いて白井さん」


唯くんは落ち着きすぎている。


『今日はamam発売日で絶対新しい仕事入って来るから空けとけって言ったよね…!?すぐ連絡取れるようにしとけって言ったよね!?うぅ…!』


とうとう泣き出してしまう白井さん。


「ごめんて」

『もぉ〜!とにかく来なさい!有名なディレクターさんが話したいって来てるのよ!今どこにいるの!?』

「ごめん無理」

『は!?』

「急用できた」

『はぁ!?急用って、こっちも急用なんですけど!?』

「ごめんね」

『ごめんね、てあんた…』

「僕、明日まで連絡取れません。じゃ」

『え!?』


ブツッ。

強制終了した唯くんは、スマホの電源を落とした。


「…よし」


…全然よしって感じじゃなさそうでしたが?
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