唯くん、大丈夫?
「唯くんの、」
…
「…色男!!!!」
…
唯くんが首をかしげる。
「…ありがとう?」
…なんか違う。
私はもう一度息を吸って、今期最大のクソデカボイスをお見舞いした。
「唯くんの、ッバカ!!ドジ!!バカぁーーー!!!!」
言葉の引き出しの中にあるありったけの悪口を叫んで、唯くんの胸を強く押して逃げ出した。
走りながらまた、悔しさが込み上げて泣けてくる。
生徒たちの賑やかな声が近づいて足のスピードを緩めたけど、唯くんが追ってくる気配はない。
「唯くんの…ばか。」