唯くん、大丈夫?
めんどくさい。
「…とにかく私、唯くんに謝りに行く!」
なんとか着替え終えて、美琴と更衣室を出た。
「お、偉い。じゃあ先に教室戻ってるよ」
「うん!」
…よし。
どしんと構えて、痴女の1人や2人「全然気にしないから」って言おう。
唯くんが余計な心配しなくていいように。
唯くんの彼女らしく、かっこいい女になろう!
決意を新たに、唯くんのクラスの扉に手をかけようとしたその時、
扉がガラッ!と勢いよく開いた。
「!」
はた、と目が合う。
私の大好きな、三白眼。
「…ッ、」
廊下に飛び出す勢いだった唯くんが、ドアの縁に手をかけて踏みとどまった。
「…優花」
不意打ちの至近距離唯くんに、心臓が飛びはねる。
お昼休みにクソデカボイスで怒ったばかりなのに、
その相変わらずのかっこよさに、つい顔が緩む。
「…ん?」
私は視線を下ろして目を疑った。